事務局からのお知らせ

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平成30年度 山口正栄記念奨学財団 修了式

平成31年 2月23日に平成最後の修了式が札幌パークホテルで執り行われました。

今回も東京からOBOGが駆けつけてくれました!まずは公立はこだて未来大学教授、当財団の選考委員長でいらっしゃいます鈴木恵二先生より開式のご挨拶をいただきました。

今年からグループ活動を通してより奨学生同士の交流を深めていただいてきましたが、今期最後のグループ活動はビブリオバトルです。ビブリオバトルは一人一人が本を読みそれを紹介するというものですが、書評合戦実体験を通して事物理解力、批判力、及び要にして簡潔な意思伝達力を養うことにあります。それをまずはチーム内で行い、各グループ代表者が修了式で発表しあいます。

今回の代表者は(写真左より)
七海 龍平 「スターティングオーヴァー」
奥地 涼太 「人間はいろいろな問題についてどう考えれていけば良いのか」
中野 健太郎 「宇宙に命はあるのか 」小野 雅裕著
佐々木 愛里 「光の帝国 常夜物語 」恩田 陸著
中村 大地 「ペンギンハイウェイ」森見 登美彦著
鈴木 花 「フォルトゥナの瞳」百田 尚樹著

その中で山口正雄記念賞を受賞したのは、中野健太郎君でした!おめでとうございます!

そしてOBOGのビブリオバトルです。
写真左より
関 善裕 「放浪の天才数学者 エルデシュ」
桝沢千尋 「天声美語」美輪 明宏著
工藤正行 「ロベルト バッジョ自伝 天の扉」
櫻井 努 OBOG会会長
三嶋 渉 「恋と愛の進化論」

松本篤二賞は 工藤君に輝きました。おめでとうございます。

そして講評は、北海道科学大学副学長で当財団の評議員・選考委員でいらっしゃいます川上 敬先生、公立はこだて未来大学准教授、評議員・選考委員でいらっしゃいます奥野 拓先生からいただきました。奥野先生からは自らも「ファクトフルネス」を紹介してくださり思わぬOB枠参加となりました!残念ながら受賞には至りませんでしたが....。

ビブリオバトル終了後、まずは2年間ともに奨学生として楽しんできた最後の会食会です。本日のお弁当はこちら

みな和やかに、そして一人一人読んだ本を紹介していただきこれからの進路や豊富について話してくれました。

評議員・選考委員の加地太一先生、同じく中島 潤先生、そして同じく山本雅人先生からもお祝いの言葉をいただきました。

山本先生からは「奇跡の脳」という本をご紹介いただきました!まだお読みになっていないとのことでしたが...。

会食の後は修了式です。今回の修了生は14名です。残念ながら留学等で出席できなかった学生が3名いらっしゃいましたが、無事に修了証書と最後の奨学金が授与されました!

代表挨拶は北海道大学大学院を修了し、株式会社花王に入社予定の村川 航平君です。少し緊張していたようですが、4年間の学生生活、財団内での仲間との交流について話してくださいました。

そして最後に各賞の受賞を。

まずはこれまでも財団のメインスポンサーとして支えてくださっています株式会社ジャパンテクニカルソフトウェア様から「JTS賞」です!

この賞は特に国際学会に出席し、活躍してきた学生に資金援助するものです。
今回は3名がエントリーしてくださいました。


北海道大学大学院 情報科学研究科情報エレクトロニクス専攻  植村 圭佑
参加学会/International Workshop on Nitride Semiconductors (IWN2018)
開催地/金沢市、日本
テーマ/Effect of Photo-electrochemical Etching and Post-metallization Annealing on Gate-controllability of AlGaN/GaN High Electron Mobility Transistors.
光電気化学エッチング及び電極形成後アニールがAlGaN/GaN高電子移動度トランジスタのゲート制御性に与える影響
受賞等/Student Award 受賞
アピール点
International Workshop on Nitride Semiconductors (以下IWN2018)は、窒化物半導体の結晶成長・評価/理論・光デバイス・電子デバイスに関する大会内容となっており、窒化物半導体材料においては窒化物半導体国際会議(ICNS)に並ぶ世界的な国際学会であり、毎年1000名程度の参加者を得る。(大会詳細についてはURL[http://www.iwn2018.jp/IWN2018-Statistics.pdf]を参照のこと。)この学会において、私は窒化物半導体を用いた電子デバイスに関する口頭発表を行いStudent Awardを受賞した。(証拠はURL[http://www.iwn2018.jp/IWN2018_StudentAwardWinners.pdf] 右カラム中段付近“Keisuke Uemura”)ここでこの賞は、世界各国からノミネートされた約380件の発表のうち上位5%に与えられたものである。したがって、私の国際学会における発表が客観的に評価・奨励された事実を以て、JTS賞への応募を希望する。


北海道大学大学院 生命科学院  村川 航平
参加学会/Japan Korea Joint Symposium (7月23日~7月27日)
開催地/北海道、日本
テーマ/Developing Tough Polyelectrolyte Complex Gels with Porous Structures for Underwater Adhesion
アピール点
私はフランスでの共同研究後、帰国して上記の国際学会に参加した。共同研究にて蓄積した学問的知識および英語力を持って、学会では、自身の研究内容を英語で発表するだけでなく、自ら外国人の先生に「発表を聞きませんか」と声をかけて、ディスカッションを行った。その結果、自身の研究の糧となっただけでなく、外国の研究者にも刺激を与えることができたと考える。国籍を問わず、積極的に相手に刺激を与えた自身の国際学会における発表は、財団の目的にも記載されている「国家および社会に有為な人材」によるものとして、今回、JTS賞への応募を希望するに至った。


北海道大学大学院 生命科学院  村川 航平
参加学会/The 6th International Life-Science Symposium (11月19日)
開催地/北海道、日本
テーマ/Developing Tough Porous Hydrogels by Polyelectrolyte Complexation for Underwater Adhesion
アピール点
私はフランスでの共同研究後、帰国して上記の国際学会に参加した。共同研究にて蓄積した学問的知識および英語力を持って、学会では、自身の研究内容を英語で発表するだけでなく、自ら外国人の先生に「発表を聞きませんか」と声をかけて、ディスカッションを行った。その結果、自身の研究の糧となっただけでなく、外国の研究者にも刺激を与えることができたと考える。国籍を問わず、積極的に相手に刺激を与えた自身の国際学会における発表は、財団の目的にも記載されている「国家および社会に有為な人材」によるものとして、今回、JTS賞への応募を希望するに至った。


北海道大学大学院情報科学研究科 情報理工学専攻  黒澤 紘生
参加学会/20th International Conference on Human-Computer Interaction with Mobile Devices and Services (MobileHCI 2018)
開催/September 3rd - 6th, Barcelona, Spain.
国際学会の詳細/MobileHCIは, GoogleやMicrosoft等がスポンサーとなっている国際学会である. 主な研究トピックはHCI(Human-Computer Interaction)に関するものであり, 特にモバイル端末とサービス間における人間とコンピュータの相互作用についての会議となっている. 論文の投稿には査読が行われ, 採択率は約25%前後であり, 2018年は23.4%と比較的低い年となった. HCIの分野ではモバイル系のトップカンファレンスと呼ばれている.
発表タイトル : MyoTilt: A Target Selection Method for Smartwatches using the Tilting Operation and Electromyography
概要 : 画面の小さなスマートウォッチのようなデバイスでは, 指がディスプレイを隠してしまうOcclusion Problemや, 指に対して画面が小さすぎるため細かい操作が困難となってしまうFat Finger Problemと呼ばれる問題の影響を顕著に受ける. これに対し, 先行研究では端末を傾けて操作を行うチルト操作と呼ばれる手法が提案されてきたが, 視認性の低下や身体的な困難性があり可用性の点で問題が残っている. そこで本研究では, チルト操作の利用に加え, その操作量の決定に筋電情報を用いる手法を提案した. これにより, カーソル等を大きく動かす際に必要な傾け動作が非常に小さくなる. ユーザスタディを行なった結果, 3mmのターゲットに対してタッチ操作では40%程度であった操作精度を提案手法では93.89%以上と有意に改善していることがわかった. また, 実験参加者から「従来手法と比較して疲れない」という意見を得ることができ, 煩わしさの軽減という点においてもユーザビリティを向上させることができた.
アピール点
MobileHCI 2018への参加にあたって, 私はFull Paper(11ページ)を投稿しました. 投稿論文の数は多くQuick Rejectも行われる中, 私の論文はConditionally Acceptedを受け, Rebuttalを経て採択が決定されました. 2018年の採択率は23.4%であり, それなりの難易度を誇る国際学会に参加できたという点に価値があると考えております. 研究内容に関しては, 多少時間がかかっても操作ミスを減らしたいという要求に対してそれを実現している先行研究は少なく, 私の提案手法は有用性が高く評価されました. その他, 本研究内容をもとに, 参加者700名程度の国内最大規模のHCIに関する国内学会”インタラクション2018”にてデモ発表を行い, 上位10%の優秀な発表であるプレミアム発表に選ばれました. 加えて, 情報処理学会論文誌の特集論文に本研究の内容が採録決定いたしました. 以上の内容も含め, JTS賞への応募を希望します.


受賞者は北海道大学大学院 黒澤 紘生君です。
おめでとうございます(写真右)

続いては、グループ賞です。プレゼンターは北海学園大学教授で当財団の評議員会議長でいらっしゃいます山ノ井高洋先生です。

ビブリオバトルで、しっかりグループ内でディスカッションをしてきたチームに贈られます。本当によくコミュニケーションが取れていたグループが受賞したのですが、奨学生挨拶で「あまり自分のことを話すのが得意じゃなかったのに、このビブリオバトルを通して、ある意味自分が変わったと思う!と感想を述べてくれた辻岡君がいるBグループに贈られました!

おめでとうございます!(左から平君、鈴木さん、奥谷君、黒沢君、辻岡君)

みんなで修了する奥谷リーダーを労っていたのも印象的でした!

そして関口恭毅専務理事から、講評とお祝いの言葉をいただき、最後は嘉数侑昇理事長にお挨拶いただきお開きとなりました。

修了生の皆様の活躍を心からお祈り致しております。2年間ありがとうございました!OBOG会でお会いしましょう!

更新: 2019/3/27 水曜日 19:27:35